インタビュー

【ボッチャとの出会いでスポーツがより身近になった】 東京都肢体不自由特別支援学校体育連盟 会長 三浦 浩文 氏

 

三浦 浩文 Miura Hirofumi
東京都肢体不自由特別支援学校体育連盟 会長
東京都立八王子東特別支援学校長
全国特別支援学校肢体不自由教育校長会 副会長

生徒たちの笑顔で、CACカップ開催への感謝の気持ちを伝えたい

特別支援学校の生徒たちにはスポーツ大会というもの自体が少ないので生徒たちが活躍できるCACカップという場を提供していただけることに大変うれしく思っています。

特別支援学校でもハンドサッカーの大会を開催しておりますが、資金面でとても苦労をしています。生徒の移動においては必ずバスが必要ですし、会場探しもできるだけ予算を抑えなくてはなりません。合わせてボランティアスタッフも必要となり、自分たちだけで大会を運営するのには苦労しております。
肢体不自由の生徒たち、またそのご家族においても普段生活している場所からどこかに移動するというだけで大変なのでどうしても外とのつながりが少ない状況になってしまいます。

大変心苦しくはありますが、資金、運営について全面的にバックアップ頂けていることに感謝しかありません。学校としては、生徒たちが真剣に取り組み、たくさんの笑顔を見せることでお返ししていきたいと考えています。

 

ボッチャとの出会いでスポーツがより身近になった

ボッチャに出会ってからは生徒たちにとってスポーツがより身近になりました。
パラリンピアンの活躍も大きいですが、自分たちにも出来るんだ!やっても良いんだ!と思う生徒たちが増えました。
さらにCACカップが開催されることによって都内の特別支援学校が集い、お互いに鎬(しのぎ)を削ることはとても良いことだと思います。

生徒たちは、CACカップに参加することによって、勝ちたいという意識が高まり、運から実力、偶然から必然に変えるために戦略を考える。これらは本当に大きな意識改革でした。
負けて悔しい!どうやったら勝てるのだろう?とスポーツに取り組む意識が変化したことは、生徒たちの将来に大きな影響を与えたと思います。
CACカップは今や生徒たちにとって大きな目標となっています。

俯瞰カメラによって上空からコート内の状況を映し出し、ボールの位置を把握できるCACカップでは、今まで一方向からしか見えなかった景色とは別のものが見られます。
この俯瞰映像の位置情報によって観客も戦況を把握でき、より会場が盛り上がります。

 

学校間交流で自然と盛り上がるボッチャ

ボッチャが健常者にも認知されてきた事は、肢体不自由の生徒にとっても非常に大きな影響があります。
例えば普通学校と特別支援学校との学校間の交流会をするときに、これまではお互いに自己紹介をしたり、歌を歌ったり、ちょっとしたゲームをしたりして終わるというものでしたが、最近はボッチャを一緒にやって、交流を深めるようになりました。
特別支援学校の生徒たちにとってボッチャは普通学校の生徒よりも経験があるので健常者の生徒たちに勝つことができます。
この対等にスポーツができる、試合ができるということで交流会は自然と盛り上がりますし、交流会の質が変わってきたと感じています。

ボッチャ競技は肢体不自由のある生徒にとって、様々な可能性を見せ、考え方を広げてくれる素晴らしいスポーツだと思います。

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